私はそこそこ生きてきたが、未だに指の名称に納得していない。
親指、人差し指、中指、薬指、小指。
いったい誰が決めたのか知らないが、あまりにも安直である。アップデートが必要なのは火を見るよりも明らかだ。このままでは令和のドパガキたちには刺さらない。
まず親指。
こんな短い指が親指なわけがない。親というなら、もっと堂々としていてほしい。実際は短くて太い。ずんぐりむっくりしている。
もう名前は決まったようなものだ。
ヤンガス指である。
このフォルムを見てほしい。どう見てもヤンガスだ。頼りになりそうな見た目をしているし、実際に物を掴むときはかなり重要な役割を果たしている。まさに縁の下の力持ち。ヤンガス以外の名前が思いつかない。
続いて人差し指。こいつは問題児だ。子供の頃に人を指さしてはいけないと親から教わった人も多いと思うにもかかわらず、人差し指という名前になっている。教育方針と名称が完全に衝突している。
無論、改名が必要だ。バチ指。
誰もが生きてきた中で、人差し指を使って机を叩いたり、膝を叩いたり、音楽に合わせてリズムを刻んだことがあるだろう。
名前の響きもいい。
中指。
そのまますぎる。もう少しひねりがあってもいいだろう。
イキり指。
理由は簡単である。中指を立てる行為はだいたいイキっている。
もちろん文化的な背景はいろいろあるのだろうが、少なくとも一般人がやると大体ダサい。
ならば最初から名前にしてしまえばいい。これなら教育的にもギリギリOKかな!
イキり指なんて名前なら、立てる気も起きなくなるだろう。
そして薬指。
正直、薬指に関してはそこまで不満はない。
薬を塗るときに使うという由来も分かるし、ほかの指と比べて使用頻度が低いため比較的清潔という説も納得できる。
かなり完成度の高い名前だと思う。
ただ、ここまで全員改名しているのに一人だけ現状維持というのも気まずい。
薬指は動かしづらい。試しに動かしてみると分かるが、こいつだけ妙に言うことを聞かない。頑固なやつである。周りが動いても我が道を行くタイプだ。
イカルド指である。どこか不機嫌そうで、協調性がない感じが実にそれっぽい。
そして最後に小指。こいつは名前負けしている。小指というくせに握力に大きく関係しているらしい。小さいのに力を持っている、なかなかの実力者だ。
さらに昔からなぜか「詰められる」など不穏な役回りも多い。小さいのに目立つし、しぶとい。この特徴をすべて満たす存在は一人しかいない。
フリーザ指である。小柄で圧倒的な戦闘力を持ち、クリリンやトランクスに半分にされたこともある。
こうして新しい指の名称が完成した。親指はヤンガス指、人差し指はバチ指、中指はイキり指、薬指はイカルド指、小指はフリーザ指。
ここまで考えてみたけどやっぱりおもんない。
私にはセンスがない。しかも、それは絶望的なくらいに。
ふざけきれないし、面白いことも言えない。
今日も一人、パソコンとにらめっこ。
もっとも、面白いのは画面の向こうだけで、自分の顔は少しも面白くない。
センスというものは、磨いて身につくものではない気がする。寝よ。


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